2020/02/15 12:40

天然石は例えば「赤」や「黄色」「緑」・・・といっても、その色の中に無数の色彩があります。
濃い色、優しい色、透き通った色、何かを包んでいる色さまざまです。

ブレスレットやネックレスに使うビーズも、同じ連で手に入れてもよく見ると色も形も違ったそれぞれが連なっています。
「マルチカラー」といわれるトルマリンのように、言葉では表しきれない色が一連になっているものもあります。
その色合いは一つ一つが性格を持っているような、たくさんの色違いのトルマリンたちに出会えたような楽しくワクワクした気持ちにさせてくれます。

同じ真ん丸にカットしてあるようにみえるビーズも、じつはどこか凹凸があったり、ところどころ削られていたり、内側からの亀裂が表面に出ていたりと、自然が作り出すからこその形や癖を持ちながら、一粒一粒磨かれて連なっています。
その不揃いさもまた天然石だからこそといえます。

宝石は原石となる石から削り出されるときに一番美しい部分をできるだけ大きく、魅力的な形に削り出されていきます。
その途中でどうしても取り除かれていく部分があります。
ビーズ玉はそうした省かれた中から綺麗な部分、個性的な色をもっている部分を丁寧に磨きだされて形になります。
特別に美しい最高級な色味や形や姿ではなくても、それぞれに何とも言えない不思議な、地球が作り出した色がビーズになっています。

また、人の手によってさらに手を加えられて美しくなる天然石もたくさんあります。
例えば通常では暗い鈍い光のものが熱を加えることで鮮やかな透明感や色の濃淡を見せることもあります。
ヒビや亀裂に油分を充填して滑らかに亀裂などを隠す加工もあります。
こうした加工によって、これまでは捨てられてきた破片がビーズ玉などに綺麗磨かれて使われています。

自然が作った色+人の手=新しい個性の色・形
化学や技術力が向上した現代だからこそできる天然石の無駄のない使い方とも言えると思います。

小さな、同じように見える粒たちの、実はみんな違う個性の色合いや形を
身に着けながら、日に透かしながら、明かりに照らしながら、
楽しんでいただけたらと思い作品をつくっています。